●第2号(1996/12/25)――【10面】ハーブ&アロマテラピー『医療現場からの報告』
![]() ●泉医院院長 医学博士 衣川湍水氏 1927年8月30日生まれ 1953年に千葉大学医学部卒業。翌年都立大久保病院入局。 55年に一旦東京大学で学究生活に戻り、伝研5研に所属。58年真野美容学校講師に招かれる。60年千葉大学医学部講師、61年実践学院女子大学講師、65年千葉大学医学部助教授を歴任する。67年に退官し、泉医院を錦糸町に開業。現在に至る。 専門はガン。ハーブ、アロマテラピーに関しては、企業からハーブの実験を依頼されたのが始まり。以来興味を持ち、臨床応用、実験と治験を重ね、伝承の誤りを指摘するなど独自の理論を持つ。 |
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●セージのうがい薬 感冒の咽喉の痛みを始め、口腔内の舌を含めた不快感、異常の訴えは日常の臨床で頻繁に経験されるところですが、現代医学では含嗽剤(うがい薬)を投与することによって経過観察するしかないの現状です。つまり、医薬品としてのうがい薬に臨床的効果は期待できないということです。 そこで私はハーブの抗菌力に注目し、その一つであるセージを主体としたうがい薬を臨床に使用して好評を得ています。 11月の初旬から3月の中旬頃をめどに、比較的よく来院する患者20人にセージのうがい薬を毎日励行してもらいました。 この時期を選んだのは、インフルエンザへの対抗処置としての効果を期待したからです。インフルエンザウイルスは、形態を巧みに変化させることで、ワクチンの攻勢から生き残ってきました。このインフルエンザに対する有効手段として自然のハーブに目を付けたわけです。わけても、千葉大学にいた当時の研究で、ウイルスの増殖を押さえる作用がほかの植物性成分に比べ強かったのがセージでした。 ドライセージを時間をかけて水に浸し、エキスが充分に溶けだした溶液を作ります。これをうがい薬として、うがいを続けている人と、うがいをしなかった人について、インフルエンザの治療のために来院した日数を調べたのが表です。 小児はうがいをしない場合に比べて来院日数が約3分の1、成人では約半分に減りました。 人数も少なく、記録の取り方も精密ではありませんが、セージのうがい薬がインフルエンザの罹患に有効であることは感触として得られました。 私なりに推測すると、インターフェロンの誘発物質としてセージが作用しているのではないかと考えています。ご承知のように、インターフェロンは体内でウイルスが増殖活動を行うときに大量に生産され、ほかの細胞への感染を防御します。そしてインターフェロンは、単なるストレスや食塩水の刺激によっても誘発されることが確認されています。さらに食塩水をのぞいてすべて人体にとっては有害であり、誘発物質としてセージは理想的といえるのです。 |