●第5号(1997/3/25)――【14面】ハーブ&アロマテラピー『医療現場からの報告』
![]() ●泉医院院長 医学博士 衣川湍水氏 1927年8月30日生まれ 1953年に千葉大学医学部卒業。翌年都立大久保病院入局。 55年に一旦東京大学で学究生活に戻り、伝研5研に所属。58年真野美容学校講師に招かれる。60年千葉大学医学部講師、61年実践学院女子大学講師、65年千葉大学医学部助教授を歴任する。67年に退官し、泉医院を錦糸町に開業。現在に至る。 専門はガン。ハーブ、アロマテラピーに関しては、企業からハーブの実験を依頼されたのが始まり。以来興味を持ち、臨床応用、実験と治験を重ね、伝承の誤りを指摘するなど独自の理論を持つ。 |
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●ユーカリの疼痛効果 ユーカリは呼吸器系の障害に頻用されます。臨床的には、気管の粘膜を刺激して薄いサラサラの粘液を出し、痰をきれやすくすることを確かめました。また、抗菌性、抗ウイルス作用も他の精油に比べて強いものがあります。 以前この項で、精油には云われているような殺菌、抗菌作用はほとんどないと言いましたが、ユーカリは他の精油に比べたら、抗菌、抗ウイルス作用を認めていいと思います。 ところで、私はそうしたユーカリの気管支への作用より、疼痛効果に注目してみました。ユーカリはビールスにも効くので、イボなどの治療にユーカリの精油を使ってみたことがあります。イボなどはだいたい関節のあたりに出来やすいのですが、何人かの患者さんがイボと一緒に関節の痛みも治ってしまったのです。 そこで、関節の痛みを緩和することを目標に、改めて精油を使って治験を試み、良好な結果を得たので報告します。 基剤100に対して3%と6%のユーカリ精油を加えた2種類の塗布剤を用意。平均年齢60歳(最年長82歳、最年少16歳)の患者44人に対し、痛むところに1日3〜5回程度塗布するように指示。結果、68%について鎮痛への有効性が確認されました。 作用機序については不明ですが、敏感肌の患者でも肌のトラブルはなく、また「魔法にかかったようにピタリと止まった」という患者の報告からすれば、充分に有用性はあると考えられます。 ◆代表症例◆ 【H・K64歳女性】 料理中に誤って指の皮膚をそぎ落とす。創傷は癒えたものの、物にふれると鈍い痛みがはしり耐えられないほど。軟膏、パップ剤、理学療法を試みるも軽快せずユーカリ軟膏を塗布。1ヶ月後、症状の再発はない。 【S・N76歳女性】 ひざの変形性関節症により、数年間通院加療を続ける。関節局所に移動する疼痛に悩まされ、そのため痛み止めの注射を欠かすことが出来なかった。 ユーカリ(精油)の塗布を始めたその日から、注射を必要としないまで軽快。 【H・K67歳男性】 下腿の激症溶連菌感染、約1ヶ月にわたる抗生剤投与で治癒。治癒後下腿の下半分に後遺症が残った。 柔らかく膨れた感じの浮腫、赤みを帯びた蒼白な皮膚色、冷熱感交互の出現、乾燥、焼けるような痺れるような感じ、触覚異常などを認める。反射性交感神経性ジストロフィーと診断。ユーカリ(精油)の塗布によりすべての症状が軽快。 |