WELCOME TO The Kampo Igaku Shimbun  ●第7号(1997/5/25)――【1面】(1)
薬剤師によるセカンド・オピニオンの確立



line.gif 患者の悩み・疑問は様々。薬局の役割は医療の付帯ではなく医療だけでは出来ないケア・サービスにある。

◇◇◇

 良質な医療を受けるのに医療機関や行政の努力だけでなく、患者側もそれなりの知識を備え、自分や家族の生命、健康を守らなければならない時代になった。
 しかし、薬、病気、健康管理、専門医の情報、他の治療方法の可能性、治療によるリスクなどあらゆる情報を患者が全て把握できるかというと無理に近い。これら、患者の疑問や要望に対して、患者側に立って、良質な医療を求める人の手助けとなってくれる第三者機関が求められる。
 セカンドオピニオンは、本来病気や手術などの判断を複数の医師が評価する制度だが、日本にはまだない。そこで、薬局によるセカンドオピニオンを考えてみたい。
(太田聡)


医療の付帯でいいのか


 セカンドオピニオンは、米国で生まれた制度で、手術をするときなど複数の医師の診断を仰ぐなどを定めた制度。病院の都合による医療行為を抑制し、患者が望む医療を患者の判断によって決めることができる。 日本でも別の専門医やかかりつけ医の判断を仰ぐように勧める医療機関が増え、概念として定着してきた。

 しかし、現実的には難しい判断を迫られた患者や家族は、どうしたらいいか決めかねて悩んでいる。医師の説明が難解だったり、複数の医師の見解が全く別だったり。混雑している病院で、なかなか納得するまで質問しづらい。

 様々な電話による相談事業を展開しているダイヤルサービス(東京・今野由梨社長)が行っている医療・健康に関する相談電話で、最も多く寄せられる相談が「病気とその治療法」である。特に最近多いのが医者に一度行って、判明しなかった疑問や解決しなかった悩みが寄せられるケースだ。

 市民団体で運営する医療に関する相談窓口「ささえあい医療人権センターCOML」では、かなり専門的な情報を求めてくる相談者が多いという。

 これらの相談者に共通するのは、1回の相談で1時間以上という長時間にわたるという点。

 医療という高度に専門科した分野では、廻りに頼りになる人がいない。思いあまって相談所に駆け込んでくる。専門的な相談に乗ってくれて、的確な情報を提供してくれる総合的なケアサービスがどこにもないのだ。

 そこで、薬局をセカンドオピニオンの有望な担い手として活かすことは出来ないか。患者が求めているのに引受先がないもので、薬局で行えるものに以下のようなことが考えられる。

●薬の管理
●健康管理
●食事指導
●医療に関する質問・疑問への対応
●専門医や養生施設の紹介
●介護相談
●医療幇助制度などの斡旋
●その他健康・医療に関する情報

 医療機関とは違った患者の総合的なケアサービスを行う「地域の健康管理センター」にしようという発想だ。

 日常の健康管理が薬局で出来れば、医師にかかるような疾病も未然に回避でき、慢性化させたり手遅れになる前に疾病の早期発見にも役立つ。医療に従属するのではなく、患者にもっと近いところで医療に携わることが出来るのではないか。

 これらを全部やらなければならないのかと面食らう必要はない。7面に医療相談を行う団体に寄せられた主な相談内容をまとめた。今後このような情報を強化していけば、患者の要望に応えられる。また、本紙でも紹介しているように、健康や医療に関し専門的な相談に乗ってくれる公共機関・民間企業・ボランティア団体は全国にある。そうした窓口の情報を患者に提供するだけでもいい。最新の医療情報、薬害情報などもインターネットなどマルチメディアによる情報提供が充実してきている(本紙5・6号参照)。

 大切なのは世の中に氾濫する健康や医療に関する情報を、ある程度正確なものだけを選別して提供すること。薬のことはもちろん、健康や医療に関する情報が、薬局に行けばあるという認識を持たれることが理想である。
(7面につづく)




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