WELCOME TO The Kampo Igaku Shimbun  ●第10号(1997/9/25)――【1面】(1)
歯止めがきかない「国民医療費」
「高齢者医療費」抑制のための有効手段は、『漢方的治療』




line.gif 「平成7年度国民医療費」は、過去最高の26兆9577億円。
前年より増加分(1兆1669億円)の半分以上(6465億円)が「高齢者医療費」


◇◇◇

 厚生省は9月9日、「平成7年度国民医療費の概要」を発表。各報道機関は、歯止めがかからずに増加する「高齢者医療費」に最注目し、警鐘を鳴らした。
●「医療費最高/『高齢者』膨張止まらず/薬・検査漬け/改善急務」(9/10日本経済新聞・見出し)
●「7年度国民医療費/過去最高27兆円/国民所得の7.1%に/高齢者の伸び顕著」(9/10産経新聞・1面見出し)
●「『高齢者』抑制が急務/国民医療費過去最高/医師の意識改革前提」(同・3面見出し)
 「高齢者医療費の抑制」こそ、いま、まさに全医療機関をあげて取り組むべき、最重要課題といえよう。
 (中村 斉)


高齢者の外来は平均5種類、
最高20種類の薬を出している



 結論からいう。もし、いま、高齢者医療において、数多くの医師が「正しい漢方的治療」を推進していくことができたなら、「高齢者医療費」は、必ず、抑制の方向に向かう。

 理由(1)…投与薬剤が大幅に減る。
 理由(2)…高齢者が元気になる。

 というのも、現在、「高齢者の外来治療における投薬は平均5種類で、最高20種類も出している」(健康保険組合連合会の調査)という現状である。

 近代西洋医学での高齢者治療は、例えば、腰痛に「湿布薬」、咳に「咳止め」、頭痛に「鎮痛剤」、かゆみに「軟膏」、しびれに…、疲れ気味に…、…、…、以上、薬が多いので胃が荒れるから「胃薬」までも投与する。平均で5種類、最大20種類というこの数字は、決しておおげさではない。

 これだけの化学薬品を飲めば、元気な若者ですら、病気になる。慢性病は完治せず、まさに「薬漬け」だから、またさらなる「薬漬け」を産み出しているという悪循環だ。

 これが、漢方的治療の場合どうなるか? どんなに多愁訴の場合でも、漢方薬は1処方か2処方の投薬で済む。一部の病気を除き(3面に詳細)、ほとんどの高齢者の病気が完治または大幅に病状が改善するため、元気な高齢者が増えることは確実だ。

 高齢者への漢方的治療は、それほど複雑ではないので、現在の医師が「正しい漢方的治療」を実施することは、決して夢ではないのだが…、まだまだ「漢方はややこしい」と敬遠されているようだ。それどころか「漢方など必要ない」と、保険収載から削除されようとしているのだから驚きだ。

 漢方製剤の平成7年度出荷高は1619億円。全医薬品6兆6822億円のわずか2.5%にすぎない。本気で、「高齢者医療費」を抑制するつもりならば、多剤投与を抑制しながら病状を改善できる「漢方的治療」が不可欠なのだが…。

 ここで弊紙「漢方医学新聞」が主張しても説得力がないことは承知している。弊紙は、何を言われ、何をあざけ笑われても一向にかまわない。だが、高齢者の方々にだけは、元気で長生きしていただきたいと、切に思う。





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