●第3号(1997/1/25)――【2面】◆ロングセラー・家伝薬など(その1)
漢方薬(生薬関連一般用医薬品)特集


 今号から、一般用の漢方製剤について、各社の特徴や由来などを含めた情報の提供を開始する。
 古代中国から伝わった漢方薬は、約2000年の歴史を経て、どのように進歩してきたのだろうか。
 人類の知的遺産の偉大さを垣間見ることができる。(中村 斉)
line.gif 340年の歴史に培われた滋養強壮剤
大木五臓圓

便秘・便秘に伴う肌あれの緩和に--
センナダイオウ錠シンワ

明治26年創業からのロングセラー婦人薬
中将湯

漢方のイメージを払拭した漢方薬
ビナSLM

更年期障害の全般に効果がある糖衣錠
婦人華

ちくのう症に二つの効果の和漢薬エキス剤
「モリ」ちくのう錠




●おおきごぞうえん
大木五臓圓

大木製薬株式会社

●今から339年前、万治元年に初代大木口哲が、江戸の漢方医・竜斉がら製造法を伝授されて以来の超ロングセラー。脈々と製造法を守り続け、明治期にマス宣伝に乗り大ヒット。今に至っても人気の強壮薬となっている。
【薬品名】 「大木五臓園(オオキゴゾウエン)」
【包装と小売価格】 750g--4,800円
【成分・分量】
(10g中)
ニンジン------------ 80r
ジオウ--------------420r
トウキ-------------- 60r
センキュウ---------- 60r
シャクヤク---------- 60r
キキョウコン--------360r
サンヤク------------240r
ブクリョウ----------720r
ハチミツ----------2,300r
【効能・効果】 次の場合の滋養強壮:
虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え性、発育期
【用法・用量】 大人1回10g(ティースプーン山盛り一杯が目安)、
8〜15歳は5g。
1日3〜4回、そのまま舐めるか湯に溶かして随時服用。
●生薬の解説 【サンヤク】――
和名は自然生。健脾・滋養強壮に効果がある
【その他】 生薬をそのまま粉末にし、蜂蜜で練り合わせた吐剤。やせ形で、虚証タイプの方に特にお薦め。
「使用上の注意」をよく読んでから、服用すること



●せんなだいおうじょう・しんわ
センナダイオウ錠シンワ

伸和製薬株式会社

●昭和37年創業の同社が、昭和43年に開発したのが、「センナ錠」。これにダイオウを加えて「センナダイオウ錠」として認可を得たのが昭和51年。以後、同社を代表する薬として君臨。同社で製造する一般用医薬品の中で出荷額(月間約2000万円)はトップ。
【薬品名】 「センナダイオウ錠シンワ」
【包装と小売価格】 84錠入--800円(他に徳用サイズあり)
【成分・分量】
(6錠中)
(局)センナ末--------0.90g
(局)ダイオウ末------0.45g
【効能又は効果】 便秘。便秘に伴う次の症状の緩和
頭重、のぼせ、肌あれ、吹出物、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常醗酵、痔。
【用法・用量】 15歳以上--1回1〜3錠
1日2回、朝夕の空腹時に服用すること。
ただし、初回は最小量を用い、便通の具合や状態をみながら少しずつ増量又は減量すること。
●生薬の解説 【センナ(マメ科)】――
 生薬であるセンナの葉は緩下薬として用いられ、現在日本で使用されているものは、主としてインド産のもの。下剤作用としての主な成分はアントラキノン類でその中のセンノサイドA、Bが腸に働いて瀉下作用を起こす。

【ダイオウ(タデ科)】――
 ダイオウ属の植物の根茎を乾燥させたものを大黄といい、日本では主に中国産のものを漢方薬の原料等として使用。生薬の下剤としては代表的なもの。
【その他の注意事項】 「冷え」の強いタイプの便秘の場合はあまり向かない(同社学術部)。
「使用上の注意」をよく読んでから、服用すること



●ちゅうじょうとう
中将湯

株式会社ツムラ

●明治26年、ツムラ創業当初からのロングセラー「中将湯」は、現在でも同社の一般用医薬品で出荷ナンバーワン。年間6億円の出荷額だ。
【薬品名】 ツムラ婦人薬「中将湯(ちゅうじょうとう)」
【包装と小売価格】 6日分--1080円、12日分--1950円、 24日分--3510円
【成分・分量】
(12.5g中)
(局)シャクヤク------2.0g
(局)トウキ----------2.0g
(局)ケイヒ----------1.5g
(局)センキュウ------1.0g
(局)ソウジュツ------1.0g
(局)ブクリョウ------1.0g
(局)ボタンビ--------1.0g
(局)トウヒ----------0.7g
(局)コウブシ--------0.5g
(局)ジオウ----------0.5g
(局)カンゾウ--------0.4g
(局)トウニン--------0.4g
(局)オウレン--------0.2g
(局)ショウキョウ----0.1g
(局)チョウジ--------0.1g
(局)ニンジン--------0.1g
【効能・効果】 婦人諸病、産前産後の病、血の道、更年期障害、ヒステリー、神経衰弱等に依る月経不順、月経痛、頭痛、肩こり、腹痛、下腹腰足引つり痛み、冷え込み、のぼせ、めまい、耳鳴り、不眠、嗜眠、憂うつ症、熱感、息切れ、動悸、むくみ及び感冒に効あり
【用法・用量】 朝夕1袋(12.5g)を熱湯180mlで充分振り出して食前に服用。
残りの袋は270mlの水を加え、180mlになるまで煎じ詰めて就寝前に服用。
症状の重い場合は1袋を朝昼に振り出して用い、更に晩及び就寝前にあらたに1袋を振り出して服用する。
【その他】 姉妹品としてティーパックタイプや錠剤のものもある。
「使用上の注意」をよく読んでから、服用すること



●ビナスリム
ビナSLM

東洋漢方製薬株式会社

●顆粒状の漢方製剤の老舗である東洋漢方製薬が開発した新機軸。ベースは防風通聖散。漢方の固定観念にとらわれず新しいイメージを追求した。
【薬品名】 「ビナSLM(ビナスリム)」
【包装と小売価格】 60包入--4,800円
【成分・分量】
(6.0g中)
(局)トウキ----------0.6g
(局)シャクヤク------0.6g
(局)センキュウ------0.6g
(局)サンシン--------0.6g
(局)レンギョウ------0.6g
(局)ハッカ----------0.6g
(局)ショウキョウ----0.6g
(局)ケイガイ--------0.6g
(局)ボウフウ--------0.6g
(局)マオウ----------0.6g
(局)ダイオウ------ 0.75g
(別)ボウショウ---- 0.75g
(局)ビャクジュツ----1.0g
(局)キキョウ--------1.0g
(局)オウゴン--------1.0g
(局)カンゾウ--------1.0g
(局)セッコウ--------1.0g
(局外)カッセキ------1.5g
【効能・効果】 腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の症状:
肥満症、むくみ、高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、便秘。
【用法・用量】 15歳以上1回1包(6g)を1日3回、食前または食間に水か白湯にて服用。
【注意事項】 妊娠中の婦人、高齢者、医師の治療を受けている人などは、医師または薬剤師に相談の上服用すること
*他の瀉下薬との併用はしないこと
【その他】 普段便秘をしない人には姉妹品「ビトラックS」がお薦め。
内出血をおこしやすい人、子宮や卵巣に障害のある人は「桂枝茯苓湯」と併用すると良い。
「使用上の注意」をよく読んでから、服用すること



●フジンゲ
婦人華

ジェーピーエス製薬株式会社

●昭和52年、当時の2代目社長(薬剤師)が、更年期障害における「証」の見極めが難しいことから、体力差や体質にそれほど関わらず幅広く更年期障害に対応できるように開発した。現在の年間出荷数量は約1万6000本。
【薬品名】 「フジンゲ 婦人華(糖衣錠)」
【容量と小売価格】 360錠--5000円
【成分・分量】
(12錠中)
生薬乾燥エキス1200mgが――――
 シャクヤク------533mg
 タクシャ--------533mg
 トウキ----------400mg
 ケイヒ----------533mg
 トウニン--------533mg
 カンゾウ--------533mg
 ブクリョウ------533mg
 ビャクジュツ----533mg
 センキュウ------400mg
 ボタンビ--------533mg
 ニンジン--------666mg
――――――――――――に相当
サフラン末--------------------------------2.5mg
酢酸トコフェロール(ビタミンE)--------------10mg
【効能】 月経不順、月経痛、血の道症、こしけ、冷え症、のぼせ、貧血、めまい、腰痛、頭痛、肩こり、更年期障害
【用法・用量】 1日3回、1回大人(15才以上)4錠を食前または食間に服用する。
【特記事項】 肩こり、冷え、のぼせ、に関しては即効性もある程度期待できる。
【その他】 更年期障害では、比較的体力のある人は「桂枝茯苓丸」。比較的体力のない人は「当帰芍薬散」が有効とされる。
婦人華は、この「桂枝茯苓丸」と「当帰芍薬散」をもとに、あわせつくられたという経緯があり、幅広く更年期障害に対して利用できる。
「使用上の注意」をよく読んでから、服用すること



●もり・ちくのうじょう
「モリ」ちくのう錠

大杉製薬株式会社

●森喜久男博士創案による「ちくのう症」治療薬。鼻の病気を治す辛夷清肺湯と排膿散及湯を合わせ、鼻の機能を回復すると共に、膿を排出。さらに柴胡、蒼朮を加えたオリジナル。
【薬品名】 「モリ」ちくのう錠
【包装と小売価格】 120錠-- 4,000円、300錠-- 8,500円、
600錠--16,000円、960錠--22,000円
【成分・分量】
(6錠中、右記の生薬の水製乾燥エキス)
キキョウ------------2.0g
カンゾウ------------1.5g
シャクヤク----------1.5g
タイソウ------------1.5g
キジツ--------------1.0g
ショウキョウ--------1.0g
セッコウ------------1.0g
オウゴン------------0.1g
ソウジュツ----------0.1g
サイシン------------0.1g
サイコ--------------0.1g
ショウマ------------0.1g
チモ----------------0.1g
バクモンドウ--------0.1g
ビワヨウ------------0.1g
シンイ--------------1.0g
【効能・効果】 蓄膿症、副鼻腔炎、鼻カタル、鼻閉塞、臭鼻症
【用法・用量】 大人は通常1回3〜6錠、満15歳から8歳まで1回2〜3錠、いずれも1日2回。
朝夕の空腹時に、水または白湯で服用。
●処方の解説 【辛夷清肺湯】――
主薬は辛夷(コブシの花のつぼみ)。鼻の病気を治し呼吸機能を整える。

【排膿散及湯】――
膿を排出させる作用のある漢方薬
【注意事項】 症状の具合、年齢によって1回の服用量に幅があるため、医師・薬剤師の指導を受けること。
「使用上の注意」をよく読んでから、服用すること



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