●第1号(1996/11/25)――【10面】ハーブ&アロマテラピー『アロマの研究』
●東邦大学名誉教授 医学博士 鳥居鎮夫氏 1948年名古屋大学医学部卒 1955年東邦大学医学部助授1972年同教授 1990年同名誉教授 ★大脳生理学の権威として知られる |
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●連載「1」
アロマテラピーなど精油を使った治療効果について、近年の研究から様々なことが分かってきました。 たとえば、ラベンダーオイルに含まれる「酢酸リナリール」という成分には鎮静効果があることが知られています。薬学の分野で精神安定剤の治験に使われるのと同じ方法で、マウスに酢酸リナリールを嗅がせると、60分ほどで動かなくなります。 ヒトに精油の香りを嗅がせて20分後に血液を採取すると、血中にその精油の成分が含まれていることが確認されています。揮発性の高い精油が鼻から肺に、そして血液に入っていくと、その中のある成分が何らかの薬理効果を発揮することは充分に考えられることなのです。 他方、精油の持つ神秘的な力は、成分が身体に浸透するというだけでは説明が付きません。香りそのものによる治療効果こそが本来のアロマテラピーだといわれるからです。 鼻から入った香りの成分は、鼻腔の天井部分にある嗅上皮によって感知され、そこで電気信号に変換されて脳に届きます。このとき五感のなかの嗅覚だけは直接大脳辺縁系に届きます。 他の視覚だとか聴覚、触覚はいったん大脳皮質に立ち寄ってから大脳辺縁系に到達します。五感の内の四感は、理性的に処理されますが、香りだけは直接本能に働きかけるといえるわけです。 ここらへんに香りによる治療効果の秘密が隠れているのではないと考えられるのです。 ところが、その先の香りが人体に及ぼす治療効果について実のところ、まだよくわかっていないというのが現状です。それは、香りというものが非常に個人の嗜好の強い分野、また感情に由来するところが大きいからです。 なかなか数値に表しにくいといえます。 ところが興奮か鎮静か、といった感情の反応ならある程度脳波によって計ることが可能です。 そこで私はCNVを使った、様々な精油の香りによる感情の変化について実験してみることにしたのです。 つづく |
2)CNV(随伴性陰性変動)
何かを注意して待つときなどに、前頭葉が盛んに動き、このとき出る特殊な脳波。注意して待つという心の動きに「随伴」して脳波が「マイナス」(陰性)に変動するので随伴性陰性変動
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