●第5号(1997/3/25)――【14面】ハーブ&アロマテラピー『アロマの研究』
●東邦大学名誉教授 医学博士 鳥居鎮夫氏 1948年名古屋大学医学部卒 1955年東邦大学医学部助授 1972年同教授 1990年同名誉教授 ★大脳生理学の権威として知られる |
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●連載「5」香りと睡眠
古くから、ラベンダーには鎮静効果があり、不眠に良いとされます。そこで、ロンドンのある高齢者専門病院で、ラベンダーを不眠に悩む患者に使ってみた結果があります。 この病院では、不眠症の患者に睡眠薬を常用しており、その副作用と見られる失禁、寝覚めの悪さ、昼間の眠気、トイレに起きると倒れるなどの症状に悩まされていたからです。 睡眠薬を常用している4人の患者について、最初の2週間は睡眠薬を毎日投与、次の2週間は無薬、次の2週間は芳香ランプ(注1)を使って部屋中をラベンダーの香りで充満させました。 そうしたところ、ラベンダーオイルを使ってからは、夜間せん妄がなくなり、眠りも深くなったということです。お年寄りにも「寝付きが良く気持ちよく起きられる」と好評でした。 ラベンダーの香りが睡眠に及ぼす影響について、私もある実験をしたことがあります。 ラベンダーの香りをしみこませた特殊繊維で作った寝具で、眠りに及ぼす影響を実験したのです。 8人の男子学生に、1週間実験室で寝てもらい、その結果を睡眠ポリグラフ(注2)で測定しました。 この結果、深い睡眠と、レム睡眠がともに増え、良質な眠りを得られることが確認できました。とくにレム睡眠は脳の働きを反映しているので、ラベンダーには脳の働きを正常化する作用があるといえるでしょう。 また、東京医科歯科大学の井上昌二郎教授らは、ラットを使ってラベンダーの睡眠に及ぼす影響を報告しています。 ラベンダーオイル1ないし2mgを、暗期(通常起きて活動している時間)開始30分前に経口投与すると、眠りにいたるまでの時間が短縮しました。そして、続く24時間の覚醒量が減り、深い睡眠が増加しました。比較として水を与えていたラットには変化がなく。ラベンダーに睡眠促進効果があることが分かりました。 このことは、ラベンダーの香りには、心理効果だけでなく、何らかの薬理効果があって睡眠を促進するのだということを示しています。 (つづく) |
2)睡眠ポリグラフ
脳波、眼球運動、筋電図などのなどの多項目記録
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